相続の基礎

年も改まり3週間経ちましたが、今回が今年初めての投稿となってしまいました。今年もよろしくお願い致します。

さて、相続は一般的に人生で数回しか直面しない出来事かと思いますが、近しい親族が亡くなられて、相続のことでお悩みの方も多いと思います。そこで、今回から数回に分けて相続について解説していきたいと思います。

まず、相続の基礎について以下にご説明します。

  • 相続とは、亡くなった方(法律用語で「被相続人」といいます)の財産に属した一切の権利義務(所有権(不動産、自動車、宝飾品などの所有者であること)、債権(人に貸したお金を返してもらったり、銀行に預けたお金を下ろせたりする権利のことなど)、債務(借金を返す義務のことなど)、その他の権利と義務)を亡くなった方の特定の親族(民法で定められた相続人、「法定相続人」といいます)が承継することです。
  • 法定相続人は、被相続人の配偶者、および、①子、子がない場合は②直系尊属(父母、祖父母)、直系尊属がない場合は③きょうだい(兄弟姉妹)です。
    ※①子が亡くなっている場合は子の直系卑属(故人の孫、ひ孫)、 ③きょうだいが亡くなっている場合はきょうだいの子が、それぞれの相続人に代わります(これを代襲相続といいます)。
  • 財産を承継する割合を相続分と言います。
    ①遺言がある場合は、その内容に従います。
    ②遺言がない場合は、法定相続分(民法で定められた相続分)に従いますが、共同相続人(相続人が複数いる場合の総称)の遺産分割協議によって、別段の取り決めをすることができます。
    具体的には、不動産と金融資産とをそれぞれ別の相続人が相続するとか、それぞれの相続人の事情を考慮して法定相続分とは異なる調整をすることです。
    別段の取り決めですので、共同相続人が合意したことを明らかにするために、遺産分割協議書を作成することが重要になってきます。

それでは、遺産分割協議などの相続の手続きをいつ頃までにしなければならないのか、疑問に思われる方もいらっしゃると思います。今年の法改正を踏まえて、私の考えを以下にまとめてみました。

  • 相続の手続きは煩雑で、長期に渡ることもあり、精神的にも疲れます。私は、まずは故人を悼むことを優先し、気持ちが十分に落ち着かれてから取り組まれるのが良いと考えます。また、他の共同相続人にも予め時期の目途を伝えて、認識統一を図るのが良いと思います。

    令和6年7月18日訂正: 相続税の申告が必要な場合は、原則、被相続人のお亡くなりになった日の翌日から10か月目の日までに、相続税の申告を行う必要がありますので、この期間を目途に相続手続きを完了させるのが良いと思います。相続税のあらましについては、国税庁のパンフレットをご覧下さい。
  • また、令和6年4月1日施行の改正不動産登記法(第76条の2の新設)により、「不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内相続登記の申請をすることが義務付け」られます(過料の規定あり)。
    ここで、「取得を知った日」とは、「相続開始(故人の死亡)を知った日」となるので注意して下さい。何故なら、民法896条の規定により、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するからです。

    後の回でご説明しますが、不動産の相続登記は、相続の手続きの中で比較的後の方のプロセスになります。このため、私は、故人が亡くなられてから3年(相続税の申告が必要な場合は10か月)を目途に相続登記の申請ができるように、相続の手続きを始められるのが良いと考えます。
    具体的には、亡くなられてから2か月後から1年後位の間に遺産分割協議を始められるように、準備を進めておくのが良いというのが私の考えです。詳しくは、相続手続きの流れの解説の回でご説明します。
  • 不動産以外の財産の遺産分割の期限について規定はありませんが、不動産を相続した分を、金融資産の相続で調整することが多いと思います。従って、上記の結論に変わりはありません。

    ※改正不動産登記法に関して、法務省のサイト 新制度の概要・ポイント に詳しい解説が記載されています。

今回はこれ位にしておきたいと思います。皆様の参考になれば幸いです。
不明な点があれば、問い合わせフォームからご質問下さい。
次回は法定相続分についてご説明したいと思います。

それではまた次回。gutes Leben!! 良き人生を!!

グーテス・レーベン行政書士事務所
行政書士 吉田 裕昭

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